ちょっとした好奇心

「何やってるんだ君たちは」

大きな声が閉店後の店内に響きました。

私たち厨房スタッフが新商品を開発するために居残りをしていたのですが、出来上がった料理を見て店長が大声を上げたのです。

 

出来上がった料理というのが井上さん主導で作成したデザートなのですが、最後に井上さんがジョークを交えて、実際の完成形とは少し違う変化を加えたものにしたことにより、見た目が薬物をおもわせる出来になってしまったのです。

後ろにいた店長が、それを見て激怒したというわけです。

めったなことでは声を荒げたりしない店長なのですが、その時ばかりは鬼気迫るものを感じました。でも私たちが驚いたのは、実は、そこではありません。この後に店長が言った言葉です。

「大きな声を上げてごめん。でもね、これは私は見逃すことが出来ない。昔、私の友人の何人かが、ドラッグに溺れて逝ってしまったから。他のことは別にしても、これに関しては厳しい姿勢でいないとダメだというのが私の経験則なんです。分かってください」

 

始まりは、仲間たちのちょっとした好奇心だったそうです。扉はいつでも開いているけれども、意識的にそれを自ら閉める作業が必用なのだと店長は言っていました。

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