どんな大変な朝にでも

厨房で仕事中、後ろを振り向くタイミングが悪かったのか腰を痛めてしまいました。若くない自分だからしがたない。問題は、これがどれだけ長引くのかということ。

早いこと回復してもらわないと仕事がままならない。そんなことを考えていると、そういえば、私はあの当時の母の年齢をすでに越えているのだと気付きました。

 

母もまだ40歳手前くらいだったでしょうか。少なくとも今の私より若かった。

小学生の時、交通安全週間というのがありました。横断歩道のわきで地域のご父兄が旗振りの仕事をするのですが、母もそれをやっていたときがありました。

私が通るとき、母が「いってらっしゃい。気を付けてね」と声をかけてくれました。低学年のころは母がそこに立っていると、いつも家で見る母とは違うように見え、なんだか不思議な気分になったのを覚えています。一年生くらいまではそれがうれしかったのですが、学年が上がるにつれ、だんだんと恥ずかしい気持ちが強くなっていきました。

一人の時はいいのですが、周りに男子たちがいたりするととても恥ずかしく、母が「いってらっしゃい。気を付けてね」と言っても顔を見て返答することが出来ませんでした。

 

母はいま自分の力だけでは歩くことが出来ません。出かける時も私の方から母に顔を見せて「いってきます」と言って家を出ます。言葉がしゃべれなくなった母ですが、必ずこくりとうなずいて「いってらっしゃい。気を付けてね」と思いを伝えてくれます。

もう一度母のあの言葉が聞きたいです。それがかなわないのならせめて、私の方から元気な顔で「いってきます」を言い続けたい。どんな大変な朝にでも。

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