今の仕事がなかったら

「嘘ですよね」

ぼーっとしていた私は突然、虚を突かれました。

休憩時間、公園のベンチに座ってお昼を食べていました。

30代位の男性が私の隣に座っていることにはっと気づかされました。

 

私はコンビニでおにぎりを一つ買い、それを食べていました。飲み物は昔、母に買ってもらったものを使用しています。量は入らないけど鞄にちょうど入る大きさで、ふたがコップにもなって便利だからです。

はたからは、古めかしく見えていたかもしれません。

「いきなりで、ごめんなさい」

男性は言います。

「心がやすまるだけで生きて行けるなんて、嘘ですよね」

詐欺か何かかなと思いました。

 

話を聞いていると、うちに来れば三食ご飯が食べられて、寝るところも提供できると言います。ぴんときたのは、この界隈で最近、宗教の勧誘が頻発しているとハーグストゥーヘンの近隣から勧告が出ていたのを思い出しました。

私が、路頭に迷っているようにでも見えたのでしょうか。

「すみません。これから仕事があるので」

言うと、うちでも紹介していますと男性。

でも、今の仕事先で間に合っていると伝えると、男性は了承し、そのあと名刺をくれました。見ると、やはりどこかの宗教団体でした。

 

男性は去って行きましたが、仮にもし、私に今の仕事がなかったら、ついて行っていたかもしれません。

だって、どうやって他に、この社会を生きていけというんですか。

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