ハーグストゥーヘンはあなたを待っている

「おい、あれ」

男子大学生が二人、私の隣のベンチに座っている人を見てこそこそ話をしています。彼らの表情は、さげすんでいるときに人がとるそれでした。指をさされている男性は黒いスポーツキャップを目深にかぶり下を向いています。ほほはげっそりと、とまではいいませんが、やつれて自信を失った様な表情です。

私も、この男性を知っています。

 

男性は有名人でした。最近になり財産をすべて失ってしまった元社会企業家です。年は私と変わらないくらいだったと記憶しています。

この人は大口で有名でしたが、決して誰かを非難したり傷つけることなく、一所懸命がんばってきた人だと私は思います。

筆記用具をとりだし、メモ用紙を一枚やぶり、そこに言葉と地図を記しました。

 

「ハーグストゥーヘンはあなたを待っています。

日中、人目が気になるのなら、深夜帯でも営業しています。

軽食などを無料でご用意します。

ここからもう一度、出発すればいいのです。」

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