留守にしていた経緯

私が今日聞いたことをすべてお話ししたところで、信じてくれる人がどれだけいるでしょう。ただしかし、私には、大真面目にこのことを語る以外他にできることはありません。以下は店長が私に伝えたことを要約するものです。

 

店長と副店長がいやしのハーグストゥーヘンを不在にしていた理由。それは一月ほど前、地下のワインセラーで井上先輩が見つけた一本の筒に始まります。

その筒の中には地図が入っており、そこにはある場所が示されていて、店長はその地図に示された場所へ、副店長を連れて向かうこととなりました。

 

目的地のある街へ着いたとき、二人は、緊張を解くことができませんでした。

通りには人がほとんど見当たらず、建物の窓ガラスは割られ、その中にも人の気配は感じられない。いわゆるゴーストタウンのようだったと。

ただ一軒だけ、三階建てでキレイに体裁を保っていた建物があった。その建物にも人は見当たらなかったが、一階部分に受付があり、呼び出しボタンがあったため、ボタンを押すとある人物が出てきます。それは、店長と副店長の知っている人物でした。

以前、といっても私がハーグストゥーヘンに勤めるもっと前にわずかな期間働いていたという女性で、その人が付き合っていた男性というのが、極めて人間性のまずい人物であったと。二人はなぜそこに彼女がいるのか疑問に思い、そのことを問うと、彼女は口をつぐみます。もう一度聞くと、無言のまま彼女はどこかへ去っていってしまいました。

二人はしばらく待っていたが結局女性は現れず、二人はその店を後にし、ある別の場所へと向かうことにします。

ここで店長が言った言葉に、私は驚くこととなります。二人が向かったのはなんと、

いやしのハーグストゥーヘンでした。

と言っても、

私たちが普段働いているハーグストゥーヘンではないハーグストゥーヘン。

いやしのハーグストゥーヘンは、もう一つ存在したのです。

 

チェーン店だと聞いていなかったし、他のお店と連携をとることもなかったため、私はそれを聞いてさすがに耳を疑ってしまいました。それくらいハーグストゥーヘンは異質であり、真似のきかない店であるためです。

店長たちはもう一つのいやしのハーグストゥーヘンへ向かうと、そこで働くスッタフ達が様変わりしていることに驚いたと言います。

まず、知っている人間が一人しかいなくなっていた。働いているのは、その旧知の人物と臨時で雇うスタッフが一人。お客さん自体が来なくなってしまったため、お店は二人だけで回しているのだといいます。他のスタッフ達はどこへ行ったのかと聞くと、何も答えない。再度聞いてみても、口をつぐんだまま。

 

店長と副店長は顔を合わせて、ある決断を下します。

第一、このようなひどい状態がなぜ起きたのか原因を究明。

第二、以前の状態へと戻すための解決を図る。

二人は留守にしていた期間、ハーグストゥーヘンを復活させる環境が店の周囲に整っているか、その有無を調査していたと言います。

ではその後の二週間に何があったのかと聞くと、それはまだ話せないと店長は言います。私はそれが気になって仕方がないのですが、店長から話せないと断言されると、それ以上はもう聞くことはできません。

 

以上が私が今日までに聞いたすべてです。他言は厳禁でお願いします。

 

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