メガネロン毛

こんな手紙が届いていました。

『いやしのハーグストゥーヘン 店長様

大変ご無沙汰しています。以前そちらのお店で店長さんにアドバイスをかけて頂いた田中と申します。黒縁メガネをかけたロン毛の男です。覚えていらっしゃいますでしょうか?

当時将来に悩んでいた私に、

「とりあえず、挑戦してみたらいい。どんな分野でもいいから」

そう店長さんに言って頂きました。

それで本当に、物は試しだと、俳優のオーディションに応募することにしました。

 

まず書類選考で受かりません。でも、ひとつだけようやく書類選考で通過したのが、サブキャラオーディションでした。

いざ会場に行ってみると、私のようにロン毛&メガネばかり。この中から一人が選ばれる。そして私は見事に落ちました。

友人にオーディションのことを伝えると、何のオーディションだったんだそれは?と聞かれ、私自身、良く調べていなかったことに気が付きました。

後日、自分からロン毛とメガネをとったら何が残るのかと思い、思い切ってコンタクトにして髪を切りました。すると、友人とすれ違っても気づかれない日々が幾日か続きました。その時痛感したのは、自分は知らないうちにロン毛&メガネに個性を頼り切っていたということ。自分の個性を磨かなければと私は考えを改めるようになりました。

 

それからはもうオーディション受けていません。ただ、動いたことで、自分が何者か、考えるいいきっかけになりました。逆説的かもしれませんが、いま私はスタイリストをやっています。スタイリングする人たちに私はこう言います。

「あなたを私のように外見的に無個性にさせたくはない」

そう伝えると、みな、腑に落ちた表情をして信頼してくれます。

本当にありがとうございました。』

 

ふーむ。いずれにせよ、この人は豊かな人生を送っているのだと私は思います。

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