牛乳泥棒は、少年の心の持ち主?

冷蔵庫の牛乳がなくなっていました。どうしたのだろうと思い誰かに聞こうと思って休憩室に行くと、スタッフの井上君が座った体勢で牛乳を一気飲みしていました。

驚いた私がいったいどうしたのかと彼に聞くと、

「どうしてもカルシウムをとりたくなってしまって……」

今日のメニューで必要になることを伝えると、急いで買ってくると言って出て行ってしまいました。私はそれを見て、昔似たようなことがあったことを思い出しました。

 

息子がまだ小学生くらいのときでした。私たち家族は団地に住んでいたのですが、当時の団地というのはどこもかしこも似たような並びで、たくさん棟が固まって集積していました。そのため団地の敷地内で迷子になる子供も少なくありませんでした。

とある休日のお昼、私が外出先から家に帰ると、家族はみな出払っていたはずなのですが、ドアが開いていました。中から物音がし、泥棒かと思い身構えました。用心して近づくと、冷蔵庫の前に3、4歳くらいの男の子がうちの家の牛乳に直接口をつけて飲んでいたのです。

「何してるの、ぼく?」と聞くと、のどが渇いたから牛乳を飲んでいると言います。あなたのおうちはここではないよと伝えると、「間違えちゃった」と言ってテクテクとドアに向かって歩いていきます。バイバイとお互いに手を振って別れました。

男の子が出て行ったあと、思わず私は大笑いをしました。家族が帰って来てからそのことを伝えると、家族も皆笑いました。息子にはその後、戸締りはしっかりするようにと伝えましたが、男の子の無邪気さと息子の不用心が生んでくれたささやかな出会いとなりました。

 

うちのスタッフの井上君は、もしかすると、あのときの男の子が大人になって現れたのかもしれないなどと想像してみるのも愉快です。

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