「おい、木抜、木抜じゃねーか」

「おい、木抜、木抜じゃねーか」

休日、街歩きをしていたら同郷の先輩が大道芸をしているところに出くわしました。

「おまえ、何してんだよこんなとこで」

誰がどう見ても、こっちのセリフでした。

 

「お前もこっちに出てきてたのか。なんだよ、言えよおまえよ」

言えよって、連絡とれないところにいたのはあなたの方じゃないですか。

「それより、おい、見てってくれよ。というか買っていけよ。これ、すげーんだよ」

そう言って僕以外誰も寄りつこうとしなかったその大道芸に誘い込んできました。

というか、よく見ると大道芸ではありません。実演販売、いや、転売をしているようです。

「これ、大丈夫なんですか? あそこの店で売っていたやつじゃないんですか?」

近くの店で売っているセール品を集めていくらか上乗せして販売しているようです。着ぐるみを着ているので、大道芸と見せかけて摘発を逃れようとする違法販売です。

「というよりおまえ、なに、その恰好。こっちの人間かと思たぞ」

なんだかこの言い方。まずい感じがします。

「ちょうどいいよ。これ、この服。ブランドもんだよ。知ってんよな?」

買わされる。まずい。絶対にだめだ。この人から買ってはだめ。関わってはならない。

先輩すみません。待ち合わせに遅れますからと言うと、

「逃げんなて」。いや本当に急いでいるんでと押し問答をしていると、警察官が二人現れて案の定、摘発を命じられてしまいました。それじゃ失礼しますと言って、連絡先を教えずに別れたのは賢明な判断だったと思います。

 

地元では超がつくほど有名なヤンキー。たちの悪さは尋常ではありません。どうしてあんなのどかな田舎で悪魔が育ったのかと地元の七不思議に数えられていたくらいです。正確には、隣町からの転校生なのですが。

僕と友達には優しくしてくれたのですが、気の許せない人間には悪魔の様につきまとい、人生を狂わされてしまった人が何人かいます。あるときから連絡がつかなくなったのは、刑務所に入っていたからです。

もうあそこにはしばらく近づかない方がいいかもしれません。また檻の中に入るまで、待つ必要があるかと思います。

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