人工知能との結婚

休み時間中、

「人工知能を搭載したロボットが仕事を奪う未来がくるかもしれない」という話を投げかけました。

 

「そうなったら僕はもうおわりだよ」

勉強はできない、仕事も遅い、俊敏性もない。井上さんの静かな慟哭で議論は口火を切りました。

「ロボットは頭いいんだよ。人間の勝てる相手じゃない。強い。無敵だよ。霊長類じゃかなわない」

とにかく井上さんが神経質になっています。こんなことなら話をふるんじゃなかったと急きょ後悔にさいなまされます。ずっと頭を抱える井上さん。どうにかしなきゃ。ああそうだ、

「ロボット=敵ではないみたいですよ。なんか、勝手に人間が脅威に思っているだけで、人間より頭が良いんだから、うまいこと人間と一緒にやっていける社会をつくってくれるんじゃないですかね」

「信じない。それはただのなぐさめだ。誰かがかかげた陰謀だ」そう言って井上さんは聞き耳を持ちません。ロボットが脅威だっていうことの方が陰謀じゃないかと僕には思えるんですが。ああそうだ、

「ロボットもいわゆるアンドロイドみたいに人間そっくりになって、子供も産めるようになったら共存というか、共生していけるんじゃないですかね」

言った時、井上さんの表情に変化が見てとれました。同時に、その後ろにいたアラ50の六越さんが異常に反応しているのが分かります。ひらめいた時にするあの顔です。井上さんは舌なめずりをし、六越さんは自分の体をなでまわしています。

どうしたというのでしょう。

 

ちょっと思いつきで言いすぎたかもしれない。そうだ、

「でも、そうなってくると、ロボットも相手を選ぶようになってしまうのかな」

二人とも、泣きそうになりました。

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