微妙なライン

いくら中古が安いからといって、欲しいと思わないものがいくつかあります。

使用済みの下着。歯ブラシ。洗浄済みでキレイだからと言われても、僕は嫌です。

その《良い・嫌》の微妙なラインのモノを今日、スタッフの井上さんが着てきました。

 

出会いがしら、「いいな」と思いました。井上さんが着ていたのはジャージです。有名ブランドのもので、デザインも僕好みでした。ただ、

「あれ、○○大学?」

うなずいた井上さん。

「しかも、これ、○○よしひろって?」

うん。とうなずく井上さん。

「でも井上さん、よしひろって名前じゃないですよね?」

そうだよ。だから?という表情で井上さんが僕を分からなくさせます。

安かったんだよこれ。サイズもぴったりで大当たりだったとしたり顔です。

僕は何とも言えなかったのですが、とりあえずその場しのぎに、

「安いのは本当に助かりますよね」と言うと、

「いや、違うよ。デザインだよ」

と言って、刺繍された大学名とよしひろの部分を指でなぞって、

「ここが一番ぐっとくる」と言いました。

 

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