理屈は分かっていても

「どうしたんですかそれ?」

頭から足元まで。同じブランドで揃えた井上さんが笑っています。

自信あり気ですが、一つ間違えれば笑うセールスマンのようにも見えます。

「どう?」

どう? どう、コメントすればいいんだろう。ええと、

「全部同じブランドで統一しているんですか?」

井上さんがうなずきます。

まあ、服は分かるとして、靴とかリュックまでこのブランドって作っていたかな。

どうしたんですか、これは?

「ネットで買った。全部中古」

つかまされたんじゃないのかな。

「全部本物って書いてあった。その道30年の鑑定士がきちんとチェックしてるって。偽物はだめだよ。あれは作り手への敬意を欠いているから。出所がちゃんとしてるやつを選ばないと」

でもそれって、ネットで書かれていることを全部鵜呑みにしてるってことですよね?

「何言ってんの。これは本物だよ。着心地が違うもん」

 

着心地が違う。

どう違うんだろう。

どうしてそれが分かるんだろう。本物を着たことがないのに。

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