セクハラカフェ

「おい、早くあのテーブルのお客さんのところに行って、奉仕してこい」

男性スタッフ(管理者)の怒号を浴びました。

テーブルについた後も不満げな表情を浮かべる私。同僚の先輩女性が別席に私を連れて行き、説き伏せました。

 

「どうしたっていうの? そんな顔してたらお客様を不機嫌にさせてしまうでしょ」

「私は、嫌なんです。ああいうふうにされるの」

「なぜ?」

「なぜって、不快に思うからです」

「なぜ不快に思うの? 考えてみた? 」

「……いえ」

「そうでしょ! そこをつめて考えないと。本当はどう思ってるの? あなたが勝手にセクハラなんちゃらっていう一般論と、もともと持っている自分の感覚とすり替えてしまっているからいけないの。だから不快に思ったりするの。ちゃんと冷静になって考えてみなさい。そんなのすぐになんでもなくなるから。それよりほら、旦那様(お客様)が待ってるよ」

先輩の女性従業員は、呼ばれた先のテーブルで、半透明な椅子の上に男性客と抱き合い、カップル用のストローを口につけてジュースかお酒か分からないような蛍光色の飲み物をお客と一緒に飲み干しました。

 

ここは『宇宙喫茶』という新手のセクハラカフェです。タイトなミニスカートの宇宙服を着せられた女性従業員が宇宙人と交信するというテーマで、開拓者という設定の男性客とありとあらゆることをするカフェです。お金に困っている女性たちが高賃金のこの仕事を求め全国各地からやってきています。応募者は後を絶たず、政府も、経済的困窮者を救うためとして事実上容認しています。

私も親の借金苦から、学生ローンを返済するため会社が終わった後このカフェで勤務しています。ハーグストゥーヘンでの仕事経験がこんなところで活かされることになるとは、夢にも思いませんでした。

 

ごめんなさい。実はこれ、私が描いたディストピアです。

実際に私の身に起きていることではありません。ただ、不謹慎と思われるかもしれませんが、こういった状況は実際に起きているのです。

ユートピアを描いてみたいです。でも、実現不可能性ばかり指摘される昨今、表だって表現することができないでいます。

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