狙いがいまいちわからないテレビ演出

公園でびんたの連打が始まったのは、男性の「やれるもんならやってみろ!」の言葉がきっかけでした。

 

白昼堂々でした。女性が何に腹を立てていたのかはわかりません。分かっていたのは、すでに女性が平手打ちを何発かかました後だったということ。それに反応した男性が倒してみろと言わんばかりに両手を後ろに回し自身の顔を女性の前にさし出してカッと目を見開きました。

女性はその行動に刺激されたのか、険しい表情になり、瞬間、「はいーーっ!」という奇声をあげて、男性のほほめがけて右手を勢いよく振りつけました。

《ばちーん》という音が公園に響きます。ですが男性は表情を変えずに恋人である女性の瞳を見据えたまま。もう一度女性が「はいーーっ!」と言って平手打ちしました。

《効かねえよ全然》という顔をする男性。(このとき男性の頬には女性の手の痕がはっきりと赤く残っています)

女性はさらに形相をかえると、平手打ちの連打を始めます。

「はい、はい、はい、はい、はい、はい、はい、はい、はいーーっ!」と何度も平手を打ち込みます。幾度か目をつぶりながらも男性はそれを懸命にこらえています。徐々に女性は自ら放った平手打ちの刺激による手のひらの痛みと疲れから、それを手刀へと切り替えます。ばちん、ばちんという音がゴス、ゴスという重い音に変化します。

手刀が男性のこめかみに入ったときでした。ふらついた男性は意識を失いかけます。男性は身の危険を感じたのか、後ろに組んでいた腕をほどき、女性の手刀攻撃への防御を始めます。もういよいよ臨戦態勢です。

これからどうなるのかと周囲の人たちが動揺し始めたとき、

《カンカンカンカンカン》というゴングが響きます。テレビ局のカメラと司会者がやってきて、

「ストーップ。はい、OK!」とドッキリの演出であることを周囲に宣言しました。

 

この番組、こういった状況を前にした人々がどういう反応をするのか、そのリアクションをカメラに収めようとしていたのでした。

友人に勧められてこの番組を見た私は、正直、あまりいい気持ちがしませんでした。狙いがよく分からないし、だれがハッピーになるのだろうと。

もちろん、ハッピーにさせることだけが番組製作の主目的であるべきだとは思いません。むしろそういった一つの判断基準しか持たないことが、偏屈な社会を助長してしまう恐れもあります。そんな社会には私も反対です。

ただ、今回のこの番組の内容に関して言えば、私個人としては首をかしげてしまいました。友人の好みと自分の好みは必ずしも一致しないのだと、ある意味勉強になった一日でした。

 

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