メニューにないものだけを注文する客

「麦茶、ありますか?」

「すみません。当店ではお水だけとなっておりまして。注文していただければウーロン茶ならお出しできますが」

「そうですか」

しょんぼりされたお客様は、だったらと言って、

「レタスジュースありますかね」

「レタス、ジュースですか?」

「はい、キャベツジュースでもいいですけど」

 

お店の趣旨を間違っているのではないかと思いました。メニューにある飲み物以外はおいていないことを伝えると、「そうですか」と言ってまたしょんぼりされました。

「キャベツとレタス単体であればメニューにはございますが」

「いえ、それは、ちょっと違うんです」

あまりにしょんぼりされるので申し訳なくなってしまい、厨房にレタスジュースがつくれるかどうか聞いてみることにしました。

 

「ミキサー使えば多分つくれるけど、味付けとかはどうするのかな?」

味付けを聞きに再度お客様のところへ、

「いえ、もとのメニューにないんなら、即席とかで作られてもだめなんです。最初からあるものでないと」

なんだかよく意図がわかりません。

 

その後もメニューを見て、明らかにないことを確認した後に、

「おもちってありますか? ずんだもち」とたずねられ、

「ずんだもちはないのですが、きなこもちならあるかもしれません。厨房に聞いてみますので、少々お待ちください」

と言って厨房に向かおうとした私に大きな声で、

「いいんです、いいんです。ないんなら。最初からないと、だめなんです」

最初からないとだめ。よく分からないお客様の意図。

 

結局、何も注文されずにお客様はお水を三杯飲んで席を立ちました。

最後に「お水代って、いくらですか」とお財布を出そうとされましたが、無料ですので気になされないでくださいと伝えると、またしょんぼりされて出て行かれました。

 

 

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