ステキな助っ人現れる
本当は休みの日ですが出勤しました。
予備の鍵を使って店に入ると、ポストの受け口に手紙が入っていました。
宛名には、私と先輩の名前が記されていて、差出人欄を見ると副店長からでした。先輩はまだ来ていなかったのですが、早速封をあけ中身を取り出して見てみました。
「迷惑かけて申し訳ないが、助っ人が来る予定になっている。私たちが戻るまでなんとかやりくりしてほしい。二週間ほどで戻ります。よろしく頼む。」
助っ人
とりあえず、先輩が来たらすぐにこれを見せよう。そう思っていたとき店のドアが開きました。
「……」
働き過ぎ、食べなさすぎ、疲れすぎで、先輩はやせていました。
顔が整って、髪も伸びた。まるで女性のようです。
いいえ、先輩ではありません。
その人は私の目を見て会釈をしました。
そしてそのまま視線を外さず、すらりとした立ち姿のその若い女性は言います。
副店長と、同じ苗字。
「(娘さんだ)」
彼女が、副店長の言っていた助っ人だったのです。
店長と副店長が戻るまでここで働いてくれると言います。
時間差で先輩が出勤してきました。
痩せていない。
お昼を食べなくても、痩せないみたいです。
聞くところでは、昼に食べられなかった分を取り戻すように夜に食べまくっていたらしいです。
助っ人の新人女性が先輩に挨拶をします。それに呼応するように先輩の番になるわけですが、
言葉が、出てこない。彼女を見つめたまま。
「(先輩)」と小声で私が小突きをいれると、ようやく我を取り戻したのか、名前と肩書きを言って挨拶を済ませます。
その後、私は新人さんに店内を案内し、店の基本的な理念やシステムを紹介しました。視線を合わせながらメモをとる姿勢に好感を持ち、いい人がきてくれたなと思いました。
一方、先輩はその新人の彼女を凝視しています。
こんな先輩、初めてです。
「そんなにまじまじ見てはだめ」と言うべきなのですが、やめるよう言うことはできませんでした。
無理もない。あれだけの美人では。
彼女は何度かこの店を訪れたことがあるといいます。そういえば確かに、私が最初、彼女に店の説明をしていたとき、どことなく勉強済みである感じはありました。
いずれにせよ、この助っ人はいろんな意味で期待が持てそうです。
2014年11月4日 17:59 | カテゴリー:国府田 コメント(1,095)