動機:純粋な思い

厨房のスタッフに聞いたところ、なるべく店内での写真撮影は遠慮してもらうようにということでした。店内にはくつろぎにきているお客様もいらっしゃるため、あまり雰囲気をこわすようなことはしないようにと暗黙の了解でやっているのだといいます。なので周りの人を撮るのではなく、内装やその人本人を撮るという条件付きでそのお客様には許可をだすことにしました。

 

外国人と見える二人組の比較的若いお客様で、一人が通訳をしてくれたため私もとまどうことなく話すことができました。写真を撮ろうとしていたお客様は黒人の方で、昔この近辺のお店でお父さんが音楽を演奏したことがあると聞いて来たのだそうです。それがどの店だったかまでは分からないため、手当り次第近所の店をまわって確認しているのだといいます。事情があって祖国を離れることができないお父さんに代わって、息子さんが骨を折ってあげているのだと言っていました。

 

私は最初、「ハーグストゥーヘンを調査している競合店のスタッフが偵察にきたのではないか」と冗談と本気まじりで厨房のスタッフたちにたずねてみたのですが「ハーグストゥーヘンを真似したって意味がないよ。利益なんて出ないんだから」と一蹴されてしまいました。

考えてみたらそうでした。ハーグストゥーヘンが売上をあげるために営業しているのであれば、多くのチェーン店を展開してきた歴史があっていいはず。

お客様の純粋な思いを疑ってしまいました。ごめんなさい。