4月2016

消費者かお客様か

ハーグストゥーヘンでは、お客様のために店があり、私たちはお客様の人生を支えているという発想が根底にあります。休憩室でそんな話をしていました。

 

私はよくコンビニを利用します。朝忙しくてあまりご飯を食べていないときだとか、夜仕事を終えた後、気分転換のために利用しています。そこではハーグストゥーヘンにはないような飲み物やお菓子を買います。深夜でもコンビニはやっているので、たまにですがそちらも利用します。

ちょっと思ったことがあります。それは、コンビニにとって私は、売上に貢献するためだけのただの消費者に過ぎないのか?ということです。あるいはそれとも、純粋に私の暮らしを応援してあげようという思いで営業してくれているのか。

後者だったらうれしいのですが、前者だったとしたら……。

 

あんまり考えすぎてしまうとよくないからと、話をやめて、皆、持ち場に戻っていきました。

味、変わった?と聞かれて

「最近、味、変えました?」

お客様が首をかしげてふとそんなことをおっしゃいました。

「何か、おかしかったでしょうか?」とお聞きすると、

うーん、何かということではないんだけどと、手を止めてお客様は考えていらっしゃいます。

「まぁでも、味はわるくないんだけどね。何かね」

おっしゃった後、何ごともなかったように本をお読みになっていらっしゃいます。

 

私は深夜帯に少人数で働いているため、日中のスタッフたちの作り置きを調理することが多いのですが、もしかすると、そこで微妙な味の調整を行ったのかもしれません。

ハーグストゥーヘンのお客様は基本的に、他のお店ではなく、ここがいいと言って来て下さる方たちです。波長があったり、当店の微妙な料理のテイストが気に入って下さっている方たちです。

微妙なテイストを維持するということは、実は、おいしいものを新しく作るより、難しいことなのかもしれません。

休める人、休めない人

仕事の後片付けなどが長くなり、駅に着いたのは終電間際でした。三、四人の人たちが、仲間の一人を引っ張って離そうとしませんでした。

「だめですって! 明日ありますから、本当に!」

引き留めようとする人たちはしきりに大丈夫だからと言って聞きません。

「みんなは休みかもしれないですけど僕はちがうんですって。仕事あるんですから!」

それを受けても仲間たちは聞く耳を持たずを貫きます。もう一軒行こうと。

終電が終電がと最後までかたくなに帰ろうとしていた男性でしたが、僕がホームで終電に乗り込んだ時には、その人の姿はありませんでした。たぶん、間に合わなかったんだと思います。

 

休める人と、休めない人。一緒に過ごそうとすると、無理が生じてしまうのだと思います。