年賀状が僕に教えてくれたこと

年賀状が届いていることに気が付いたのはついさっきのことでした。

差出人はもうひとつのハーグストゥーヘン(二号店)に出向している、後輩の清水からでした。

「みなさんあけましておめでとうございます。こちらはみんな元気です。お会いできていませんが、今年もよろしくお願いします。それと、結婚したのはすでにお伝えしたと思いますが、新居に引っ越しましたので、よかったら遊びに来てください。」

 

ブルブルブル。ブルブルブル。ブルブルブルブル、ブールブル。

手って、こんなに震えるんですね。涙ってこんなに流れでるものなんですね。

おめでとうの涙なのか、悔しいの涙なのかは分かりません。だけど、温かい水がぽろぽろ目からこぼれ落ちてきているのだけは分かっています。

後輩の清水はかわいいやつです。がんばってほしいなと心から思います。

でも、やっぱり、この涙は、おめでとうの涙じゃありません。何とは言いませんが、別の涙です。

「木抜くん、二号店の清水が結婚してたの知ってた?」

「あ、はい、なんか、結婚されたっていうのは、国府田さんから聞きました。」

これだもん。

僕だけだもん。聞かされてなかったの。

清水は頭がよくないから、写真をプリントしたハガキを送ってこなかったのが僕にとっては救いでした。ラブラブのツーショットを見ないで済んだからです。

国府田くんが僕には内緒でって、妙な気遣いしてくれていたみたい。いらん、いらん。そんなのいらん。ショックが倍増しただけよ。

こんな新年、いらん。

あーあ、やけ食いでもしようかな。

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